永きにわたる感謝をこめて! 岡山のシンボリック『岡山市民会館』・『ピーコック噴水』
岡山といえば、その美しい自然と歴史的・独創的な建造物が魅力のまちです。その中でも特に目を引くのが、JR岡山駅に設置されている「ピーコック噴水」と、岡山カルチャーの
中心地にある「岡山市民会館」です。しかし、残念ながらともに3月31日で閉館、稼働が終わることになりました。
そこで今回は、これら2つのシンボリックな存在について振り返ってみたいと思います。
ピーコック噴水(ふれあいの泉)
JR岡山駅の前にたたずみ、“岡山”の玄関口を彩る「ピーコック噴水」は、まさに岡山の象徴とも言える存在です。
1975年に設置された、まるでクジャクが羽を広げたような形をした高さ5メートル、直径4メートルのこの噴水は、球体から伸びるノズルの本数が531本もあるとのこと!
ここまで大型のピーコック噴水は全国でもめずらしくもあります。
設置以来、待ち合わせや撮影スポットのアイコンになり、多くの人々に愛されきました。岡山を訪れる観光客だけでなく、地元の方々にも親しまれてきた噴水ですが、広場等の工事に伴い2024年3月末で稼働終了に。
惜しまれる声が上がるなか、この度、環太平洋大学に移転し、第二の人生を歩むことになりました。
📌 JR岡山駅 岡山駅前広場(岡山県岡山市北区駅元町1)
※稼働期間は2024年3月31日(日)まで
岡山市民会館
そしてもう1つのシンボル、岡山市民会館。こちらも岡山の文化を象徴する存在であり、多くのコンサートやイベントが開催された場所として知られています。
岡山カルチャーゾーンの中心にある岡山市民会館は重要な文化施設のひとつであり、1963年に建てられました。八角形の形状を持つ大ホールは備前焼を思わせる渋色の焼成タイルで覆われています。また、市民会館会議室棟は南側に隣接する山陽放送会館と全く同じファサード(外観)を持ち、一体的な計画で建築されました。〔佐藤武夫氏 設計〕
館内に足を踏み入れると、コンクリート打ち放しの柱や白い手すり、コンクリートを手斫り(はつり)した壁面、直線的デザインで構成されたホワイエ(ロビー)は小気味よくリズミカルな感じがします。
さらに同館の特徴である、モザイクグラスから差し込む光がホワイエ(ロビー)に広がり、幻想的な雰囲気と色彩が調和し、多くの人々が集う象徴的な空間を演出しています。
モザイクガラスを手がけたのは70年代に数多くのジャズ喫茶を設計した建築家 岩淵活輝氏。
佐藤氏が若き岩淵氏に“主演後、観客が余韻に浸れるような空間づくり”というコンセプトによりデザインされました。
著名なアーティストから演劇やミュージカル公演・舞台まで幅広いイベントが行われ、地元だけでなく県外の人々にもたくさんの感動や喜びをもたらしてきた場所の閉館は寂しいですが、その歴史と思い出は人々の心に永遠に刻まれることでしょう。
これらの2つのシンボリックな存在が終わりを迎えることは惜しくもありますが、岡山の新たな文化の息吹きや、次世代の象徴的な場所が誕生することを期待しています。
ピーコック噴水と岡山市民会館、長い間、岡山の街を彩ってくれてありがとう!
📌岡山市北区丸の内2-1-1
※~3月31日にて閉館(詳細は下記URL参照)
http://www.okayama-shiminkaikan.jp/
※掲載情報は2024年3月現在の情報です・予めご了承ください
※お出かけの際には、各HPやSNSなどで詳細をご確認ください