
トイレも唯一無二!? オリエントの世界観がつづく美術館の隠れ名品
せっかくの美術館だから隅々までチェックしたい。
そんな「○○にもこだわった美術館」が最近では新たなトレンドに。
今回は、知る人ぞ知る、「トイレにもこだわった」オリエント美術館に注目してみました!


岡山市立オリエント美術館は、その名の通り「都市文明が生まれたオリエント(メソ ポタミア、エジプト)」をテーマとする専門美術館。
50万年前から近世に至る土器やガラス、金属器、陶器で作られた装身具類など、多岐にわたる考古美術品が約4,700点収蔵されています。
また、収蔵品だけではなく美術館の建築自体もアート作品となっており、自然光を取り入れた館内は唯一無二の空間になっています。
そんな、オリエント美術館ならではの体験はトイレでも…!
美術館内のトイレの手水鉢は幻の技術を復活させたラスター彩陶器を使用。ラスター彩陶器の手水鉢は世界唯一、オリエント美術館だけ✨

さてさて‥ここで「ラスター彩」とは何ぞや??と思いの方に簡単にご説明📝
ラスター彩とは、9 世紀にメソポタミアで始まった絵付技法。金属の輝きをまとった焼き物で、なかでも 12~14 世紀にイランで作られたラスター彩陶器は黄金色に輝くことで知られています。特殊な技法のため、18世紀に途絶えてからは、中国や日本、欧州の名窯でも再現不能な幻の存在となっていました。
日本はもとより世界から、永年、ラスター彩の美しい絵つけは絶えていましたが、多治見市の陶芸家 加藤卓男氏はその復興に情熱を傾け、多年にわたる研究のすえ再現に成功。美術館2階の光庭にはオリエント美術館の開館を祝い、加藤氏から寄贈を受けたラスター彩の陶壁が展示されています。

そして、今回紹介している『ラスター彩手水鉢』は、2022年春、美術館のリニューアルに伴い、ラスター彩技法を受け継いだ七代 加藤幸兵衛氏に制作を依頼。「実用的な美術品」による非日常体験を提供したいという学芸員さんの希望を、それぞれ絵柄の異なる5点の手水鉢をもって応えてくれた作品です。
扉を開けてもオリエントの世界が続きます!
異なるモチーフをもとに製作されているラスター彩手水鉢は、植物や星座、中世ペルシア貴族の意匠などなど‥身近なものからエキゾチックなものまで様々。
流水によって、ラスター彩の特徴のひとつの虹彩がキラキラ。
トイレということを忘れて思わずジッと見入ってしまいました。

この非日常をぜひぜひ直接、目で見て、美術館との統一した世界観・空間を感じてみてください。
ちなみに‥館内サインやヒエログリフ風のピクトグラムは職員さんがデザインしたもの。ミュージアムショップではオリジナルグッズの販売もしています。
岡山で古代を旅した気分で、唯一無二な世界を楽しんでみてはいかがですか!
※美術館の展覧会・料金・詳細情報等については公式HPをご確認ください
https://www.city.okayama.jp/orientmuseum/
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